キャス 「よ、プラード。体調はどうよ」 プラード 「…お前は呪い師か。体調はまずまずだ」 キャス 「そっちじゃ呪い師って呼ぶんだな、魔術師のこと」 プラード 「…まじゅつし?」 キャス 「あぁ、こっちじゃそう呼ぶんだ。あんたんトコじゃオレ様みたいなのは珍しいのか?」 プラード 「…珍しい、村の中に一人いればいい方だ」 キャス 「へぇ、そうなのか。オレ様はキャス、キャスバルドだ。覚えてくれよ?」 プラード 「…キャスバルドか。あぁ分かった、ありがとう」 キャス 「? オレ様に言うくらいならサンちゃんに言えよ」 プラード 「言った。言い足りないくらいだ、砂漠で死にかけたおれをあの小さな身体で助けてくれたからな」 キャス 「あー…サンちゃんはな、元々そういう奴なんだよ。困ってる相手を放っておけないお人よし、タチが悪いことに他意も欲もない。…まぁ、ここにいる奴らは基本的に人のいい連中だから心配はいらないだろうが」 プラード 「…キャスバルドもか?」 キャス 「いいや、オレ様は違う。サンちゃんに頼まれて来ただけだからな。オレ様なら見返りを求めるぜ」 プラード 「分かりやすくていい。だが、おれには返せるものがない」 キャス 「いくらオレ様だって病み上がり以下からは要求しねぇよ。その辺りはサンちゃんから払ってもらうから心配すんな」 プラード 「…」 キャス 「実際、オレ様がした事なんてタカが知れてるしな」 プラード 「…ふっ」 キャス 「お前…今笑ったか?」 プラード 「…キャスも優しいんだな」 キャス 「は…馬鹿言え、お前の目は節穴かよ」 プラード 「…どうだろうな」 END |