ヴィックス
「アークさんって身軽ですよね」
アーク
「そう? でもヴィックスも身軽でしょ?」
ヴィックス
「私の役目は身軽でなければ話になりませんからね。それに武器も下げてます。アークさんはそれらしい武器一つ持っていなさそうに見えるもので」
アーク
「うん、持ってないよ」
ヴィックス
「では、いざ戦闘の際は精霊術だけで戦うのですか?」
アーク
「基本的にはね。あ、でもゾルディも一緒に戦ってくれるんだよ。こう見えて結構好戦的なんだ」
ヴィックス
「それは…そんな予感はしてました」
アーク
「あれ、そうなんだ?」

ヴィックス
(……アークさんって天然…?)

アーク
「その時は少しだけ火の力を解放して手伝ってもらってるんだよ。亜種族なんかはゾルディを見てすぐに逃げ出してくれるから助かってるよ」
ヴィックス
「助かってる、ですか?」
アーク
「ゾルディは加減が出来ないからね」
ヴィックス
「失礼ですが、アークさんは戦闘が嫌いなのかと思っていました」
アーク
「気にしてないよ。うーん、戦闘を好き嫌いでは判断出来ないなぁ。避けられるものは避けてる、どうしても戦わなければいけないなら戦う。仕方のない事だと思ってるよ」
ヴィックス
「出来れば戦いたくはない、と?」
アーク
「ううんと、それもちょっと違う気がする。言い方が難しいんだけど、オレはどうやっても動きようもない状況を受け入れてるだけなんだ。戦いたくないって思っていたとしても全ての戦いを避ける事なんて絶対に出来ないもの」
ヴィックス
「難しいですね…私はこうして自由を得るまでそういった思考も放棄していたと思います」
アーク
「これから考える時間はゆっくりあるはずだよ。さ、この話はこの位にしようか。考えすぎても体には良くないからね」



END