アーク 「珍しいねぇ、ゾルディ」 ヴィックス 「え?」 アーク 「ゾルディがそうやって自分からオレ以外の人の所に座ってる事ってないんだよ」 ヴィックス 「そうなんですか? 認めてもらえたって事なんでしょうか…。そういえばゾルディってどんな生き物なんですか? 元々詳しい方ではないですけど、分からなかったもので」 アーク 「ああ、そうだよね。…んー…ヴィックスならいいかな」 ヴィックス 「?」 アーク 「この子、竜なんだよ。火竜の子」 ヴィックス 「…りゅう? りゅうってドラゴンですか?!」 アーク 「うん、その竜だよ。ヴィックスの時みたいにこの子の予知夢を見てね。その時が初めて見たんだけど…どうも気になっちゃって。んで行ってみたら夢と同じ状況だったからオレが預かる事にしたんだ」 ヴィックス 「この体型からしても竜には見え難いですよね…。あれ、でも竜なんてそう簡単に会えるものではないと思うんですが」 アーク 「そうだね、普通なら簡単には会えないと思うよ。ところでヴィックスはゾルディに触って熱く感じない?」 ヴィックス 「いえ、熱いというよりは暖かいです。寒い日は心強そうですね」 アーク 「あはは、そう言ってくれる人がいて良かったねゾルディ。…この子はさ、火の力が生まれつき強すぎる子なんだ。だからまだ自分でもコントロールしきれないんだ」 ヴィックス 「そんな風には感じませんけど…」 アーク 「今はね、ゾルディがオレを信用してくれてるからオレが代わりにゾルディの力をコントロールしてるんだよ」 ヴィックス 「アークさんって精霊術師でしたっけ、そんな事も出来るんですか?」 アーク 「オレは出来るけど他の人が出来るのかどうかまでは分からないなぁ、聞いた事もないしねぇ」 ヴィックス 「そうなんですか、…ゾルディはここぞという運に恵まれてますね。それは私にも言えるのかもしれませんが」 END |