プレイシナリオ:硝子月/SIGさん


薄暗い牢の中で目を伏せながら考える。これからの行動を。
一人の思考ではどう注意した所で凝り固まったものになりがちだ。それを抑える事こそが勿論、冒険者家業には必要な事だが。
ぐるぐると思考が定まらない時は仲間達が俺と同じ状況に立たされた場合、どう思考するのかを考える。
まず、我らがリーダーならば。アポカリプスなら。アステフィルなら。参謀であるアレクシエルなら。アークなら。
性格の違いはあっても結果同じ事をするのだろうと纏まり、俺は思わず苦笑した。
「…何だかな」
まぁ、そもそもアレクシエルならば俺みたいなドジをしたりはしないのだろうが。何せアイツは抜きんでて頭が切れる。術に疎い俺とは違い更に上回る芸当だってこなすかもしれない。
だからと言って手ぐすね引いて待つのも癪だ。別に信頼していない訳じゃない、あのアクの強すぎる奴等だからこそ100%俺の居るこの屋敷まで辿り着き、状況までも把握してくれる事だろう。そこまであらゆる事に頼れる仲間だ。――さりげない嫌味も交えつつ。
…そんなのはごめんだ。何が一番嫌だって、奴等の爽やかな嫌味を食らうのが一番嫌なんだ!
心配される程度ならばまだ可愛い方だ。あいつらはそんな可愛い手段を用いない。そういう奴等だ。
「あいつらが依頼を終わらせる前には帰らねぇとな・・・」
出来うる事を出来うる範囲でやり遂げる。
俺は決意を新たにした。



END