プレイシナリオ:硝子月/SIGさん 「はぁ・・・全く何をやっていたのやら」 溜め息混じりに呆れる声を吐き出したのはアレクシエルだった。
見慣れた、むしろ見飽きたと言ってもいい我が宿で異彩を放つ高貴さの塊がやれやれと首を横に振った。 「貴方の機転の良さは買っていますがね・・・それこそ洒落にならないレベルでしたよ」
シアを連れ帰ったまでは良かったが、奴等が帰ってきたタイミングと重なってしまい、当然その子はどうしたんだって事になった。
まさか拾いましたとも言えず、結局説明する羽目になり――現在、仲間達・・・主に参謀から説教を賜っている最中という訳だ。 「仕方ねぇっしょ、どなたさん達が俺一人置いて依頼に行っちゃったんだから」 そう。そもそもの原因はそれだ。 「・・・確かにな」 そこで言い訳をせず、それどころか冷静に認めるアポカリプス。 サタナエルはそれを見て苦笑する。 「だが、よりによって一人の時にそこまで骨の折れる依頼に当たらなくてもな」 「あのね、俺だって当たりたくて当たったんじゃないんだけど」 「いいじゃないか。その骨の折れる依頼でも五体満足で帰って来れたのだから、それにあのシアという子も無事だったようだし」 「一人でそれらの事をやったのならまぁ、合格点でしょうけどね」 諌めるアステフィルに対し、まだ何か言いたそうなアレクシエルがぶつぶつと続けている。 「そうそう。ウリエル君が無事で、宿に新しい仲間が増えたならいい事じゃない。ひとまずはさ」 シアの頭を撫でながらアークがほっとした様子でニコニコと微笑んだ。 シアはアークの対応にどうしたらいいのかと、困った様子で座り込んでいる。今までの環境から見ても動揺は仕方のない事なのだが、ちょうどいい機会と人員かもしれないとも思う。これから知り得なかった事を知っていくという意味では。 END |